富野由悠季が、ガンダムシリーズ放映20周年を記念し、
同じく1stガンダムの脚本家である星山氏に声をかけ、
製作されたのが、この（∀）ターンAガンダム。
数学記号で全てを意味する∀が
使われていることからわかるように、
このガンダムはガンダムシーリーズの総括です。

しかし、ガンダムファンの方々からは
異端視されることが気になったので
ガンダムファンではない一般視聴者として
拝見してみました。

世界観が世界名作劇場！！

私の知ってるガンダムじゃない！（笑）

1999年放映としても、
絵柄はかなり昔のものです。


19世紀～20世紀初頭のヨーロッパの雰囲気がプンプン（笑）
富野監督はもともと名作劇場の人でしたし、
こういう世界観が好きなのかもしれない。

 だから世界名作劇場ガンダムって呼ばれるんだね！

まず、この話は「メリーさんの羊を歌いながら
地球に降下する主人公」から始まっていて
度胆を抜かれます。
声が朴さんなので美声すぎます（笑）
ちなみに、お友達のキースは
「10人のインディアン」
フランは「ロンドン橋」を歌っており、
それぞれがてんでバラバラ！！
微妙なハーモニーを醸し出していました（笑）

そして、地球に降り立った主人公は
早くもコヨーテに襲われますが、
飛行船に乗っていた領主さまに助けられてます。

 
しかし、その直後
ブリキの金魚（昭和に流行った玩具、ちょきんぎょではない）を
川で遊ばせていたら、おぼれてしまった！！


 

 色々災難ですが、
資産家のハイム家のお嬢さんたちに助けられ、
使用人として雇って貰い、旦那様からの覚えもめでたく
幸せな生活を送ります。

お転婆なソシエお嬢さんと、
それをお守りするロラン少年のかけあいとか、
大らかで人柄のよさそうな旦那様、
名家の誇りを持ちつつも
娘たちを慈しんでいるハイム夫人。
野心家だけど色々と考えている御曹司、
ご令嬢なのに職業婦人を志すキエル。

それぞれがいい味を出しています。

 あと、細かい演出とかがなんか名作劇場を髣髴して
なんか微笑ましくなってしまうし、
驚くような展開（でも名作劇場にはありがち？）に
おお！となります。

特に貴婦人修行
（キエルお嬢様によるレディ教育！！）は
たまげました！

グエン領主に見込まれて、
ガンダムのパイロットになったのはいいんだけど、
戦略上、女装が必要と言われるなんて
ロランも予想してなかっただろうな。
「嫌なら断っていいのよ？」に
「地球が一方的に負けてしまうような事になるんでしょう？
　じゃあ、やりますよ」
と地球を守る確固たる信念があるのが男前（笑）

 

使用人が女王様に拝謁するシチュエーションは
かなりドラマティック。ええ話や。


 

ロランと一緒に踊るハリー中尉ですが
黄色と黒の模様のせいで

阪神タイガースにしかみえない（笑）。

巷で阪神王子と呼ばれるだけあります！！

ところで、記者のフランがローラの写真を撮ったとき
反転して映るんですが、ここらへんが昔のカメラっぽいですよね。
細かい演出がイイ！

 

さらに驚くべきは女王様のおちゃめなお人柄！！
キエルお嬢様とご自分がソックリなことに
気をよくし、さらには

「お洋服の取り換えっこ」なんて

悪戯を開始（笑）！！

王子と乞食の世界！！（お嬢様は乞食ではないけど）





 

ここで、気づいてしまったのが

「ガンダムが出てこなくても面白い！！」

ってことでした。
いや、ほんと面白いんだ。

でもここはガンダムなので
やっぱり出てくるんですけどね。

発掘されて！！

これらは前時代（1stガンダム～Xガンダム）の遺物なんですが、
∀ガンダムははるか未来の話なので、
後続であるSEED、00の機体も、
山を掘ってれば出てくるっていうことですね。

・・・・・いろんな意味ですげえ話！！

 ではでは、主役のロラン君が搭乗する
ガンダムの活躍を見てみましょう！！





家畜の運搬！！

洗濯物の持ち運び！！


万能ガンダム！！

なんというか、電化製品のノリで使用されてて
思いっきり和みました。


え？戦闘シーンはないのかって？






敵の機体にしがみついて、腕を振り上げてガンガン叩いてましたね。

はじめて　ガ　ン　ダ　ム　を　可　愛　い


と思った瞬間です！！


さあ、そんな∀ガンダムの最終回はといいますと、
キエルお嬢様に女王の地位を任せ
隠遁生活を送る女王様の使用人にロラン君はなります。


地方資産家の使用人から

女王陛下の使用人に大出世！！

もともと女王様を敬愛していたロラン君、
彼女の力になれてとても幸せそう。





いや、ほんとうにいい話でした！！！

今後、様々なガンダムが作成されますが
それをすべて総括するのがこのお話。

ガンダムらしくないお話で、
世界名作劇場のノリですが、
いい話です。

しかし、名作劇場のノリが嫌な人は
多分楽しめないんじゃないかなあと思います。

バトル目的で見ない方がいいんじゃないかな？