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狼の口が明日発売されるわけで、
なんとなくssが書きたくなりました。


グレーテさんとヴォルフラムさん。
ただ、グレーテさんはヴォルフラムさんの正体を知りません設定

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 鍋のスープをかき混ぜてスプーン一杯を口に運ぶと
野菜の甘さと程よい塩加減が味わい深く口に広がる。

「上出来上出来。あとはお菓子が焼きあがるだけよね」


 ちらりと石窯をみやり、焼き菓子の出来上がりを期待する。
そうこうするうちにカランと鈴が鳴り、
笑顔をたたえた青年が宿の中へとやってきた。
丁寧な口調と人好きのする笑顔が特徴の彼は
この宿の常連だ。
 出会いは1か月前、切り株の上でぼうっと
座り込んでいたのをからかい半分に宿へ連れ込み、
たまたま作り置きしていた焼き菓子を与えてやると、
それがことのほか気に入ったようで、
こうしてたびたび訪れるようになっていた。
名前も素性もよくわからない男だったが、
それを聞くのは野暮だろうと、
グレーテは一切詮索したことはない。


「こんにちは」

「あらぁ。いらっしゃいませー。
 あなたってちょうどいいタイミングで来るのね。
 もう少しでお菓子が焼きあがるから、焼き立てが
 食べれるわ」


「多分そうだろうなあって思ってきました」


 嬉しそうに彼は石窯を見て、
普段は細く狭められている眼が開かれる。
常に笑顔をたたえている彼は、
笑窪の筋肉でアイラインが押し上げられ、
滅多に目が出ることはない。
長い睫がぱらりと開いた時の彼は
とても貴重だとグレーテは思っている。

「狼並みの嗅覚ね」

「勘みたいなものです」

「それはすごいわ。お菓子以外にも
 発揮されるのかしら?」


からかうように言ってやると、
彼は少し考えるようにしてから


「どうでしょうね」


と笑った。

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名前:ani太

花の24年組と、
ホビーを愛するアニオタです。

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